ホ−ム>>イチ押しの人・話題>>アレックス・カ−アレックス・カ− 更新日 2003/12/7



 「犬と鬼」が出てから、カーさんの事をテレビやネットで見かけることが多くなったように思う。音楽のピーター・バラカンとともに、気になる日本通の「外国人」であることは間違いない。

 そのカーさんの新しい本を見つけたので、すぐに買って読んだ。
 「日本ブランド」で行こう、というタイトルのインタヴュー本である。基調は「犬と鬼」と同じだが、カーさんの考えがまとめられていて、一気に読んでしまう。
 
 日本通で、97年からタイに移っても、「日本に引き戻されてしまう」彼が主張しているのは、日本的なものの売出しでは決してない。
 彼が主張しているのは、「第2の開国」、外国人を受け入れて活力を取り戻そうということである。キーワードは2つあると思う。「技術のありかた」「観光」だ。それをまとめた見出しが、「観光業こそ最先端技術が必要」。
 
 古きものを保存し、活かす技術のない日本の醜さを批判し、外国人を排除していった日本社会を批判してきたカーさんの主張は僕には説得力がある。
 「例えばロケットのジャンルで、日本はオール日本でやろうとしていたでしょう。だけど大失敗に終わってしまった。できっこないんだよ。」

   古いものを捨て、西洋式技術を日本的に取り込む技術開発方式の転換が迫られていることの自覚はまだまだ弱い。
 その点、「東洋文化研究家」を肩書きに持つカーさんは鋭い。見出しから拾うと、「戦後日本の繁栄を下支えした中国の鎖国」「中国と競争しても意味がない」。だから、「日本は中国大陸の近くにある一つの島で、それは日本にとって何なのかというところに戻ればいいんです。」それが「日本ブランド」ということになる。 +++++2002/1++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

Dogs and Demonsの写真
アレックス・カ−というアメリカ人は、2冊の本を通してしか知らない。

最初に読んだのが、「Lost Japan」という英語の本で、こんなに日本の文化に詳しい人がいるのか、とただただ驚いてしまった。(この本はもともと日本語で書かれ、「美しき日本の残像」として朝日文庫で出ています)

次の本を書いているというので、待っていたらなかなか出てこない。2001年の暮れにやっと見つけたのが、「Dogs and Demons」という変わったタイトルの本。2002年の正月から読み始めて、2週間かかって読んだこの本は、副題「日本の暗部からの物語り」のとおり、混迷する日本への痛烈な批判となっています。


いろいろと考えさせられたこの本ですが、「日本のことは国内にいる日本人にはなかなか分からないものだ」というのが一番の感想です。私もかつて外国で暮らし、外国にいるほうが日本の事が良く見えてくるという体験をしたのですが、時が経つにつれその感覚を忘れてきていることを思い知らされました。
カ−さんは10代から日本で過ごし、日本の美術、文化に関して深い知識と愛情を身につけた人です。その彼がバブル以降のさまよう日本を見て、止むにやまれずに書いた、日本の誤った近代化に対する批判です。

現在の日本の不況の原因を明らかにする作業が必要ですが、まずその前に、今の日本の病がいかに広く深いか、を認識することから始めるべきだとこの本は教えてくれます。
Lost Japanの写真
「Dogs and Demons」はサ−チエンジンで調べるとネット上では、著者も参加して話題となっています。しかし、それは英語での話しで、日本翻訳が出ていない(? 講談社から準備中か?)ためか、日本語では取り上げられていないようです。
そこで、とりあえずは、日本語で読める「残像」のほうをおすすめします。この本にも、鋭い指摘が散りばめられています。

 カ−さんは日本に見切りをつけたのか、今は本拠をバンコクに置きながら、77年から住んでいる大本教の本部がある亀岡にも住んでいるようです。

 彼は1970年から四国の祖谷地方の茅葺家に住み、その保存利用を進める「ちいおりプロジェクト」を立ち上げ、今も続いています。
そのサイトを訪ねて見ると、多くの外国人にとって、日本の自然と生活にふれる一種のメッカになっている事がわかります。

⇒ち庵(ちいおり)⇒残念ながら日本語は少ししかありません)

⇒カ−さんの祖谷との出会い

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更新日 2003/12/7