最近アメリカンエアが破綻したとかのニュースが流れていた。
  アメリカンエアといえば、かってのパンアメリカンが整理されてできた航空会社の
  はずだが、航空事業の経営も難しいものなのだろうか、次々と破産、整理されて行く。
 
   日本航空が破綻して久しいが、アメリカでは既にユナイテッドエアに続き、
  我が家御用達のノースウエスト航空もいつのまにかデルタ航空の助けを仰ぐこと
  になってしまった。
   ノースウエスト航空のマイルでは、利用するたびにボーナスマイルやキャン
  ペーンマイル、トラブッた時のお詫びマイル、抽選で当選マイルとか、しまいには
  間違いマイルまでいろいろなマイルが供給され、ラスベガス行きのアップ
  グレード等に大いに利用させてもらったものだが、デルタ航空に移行したマイルは
  利用方法が限られており、(国内線はスカイマークにしか使用できない)幾らか残った
  マイルの利用方法に悩んでいたところ、デルタ航空のHPを覗くと、JTBの旅行券に
  変換可能とのことが判明。

   どこまでもセコく生きる我が家の方針として、「マイル、ポイントは徹底的に
  利用すべし」ということで、早速ネットでJTB旅行券への変更手続きを完了、
  デルタ航空より旅行券が郵送されてきた。

   今年は3月に心臓の検査入院があったため、4月にマカオ、7月ケアンズ、
  10月マカオと、カジノ訪問旅行は3回のみ、残された時間を考えると今少し行
  きたいところだが、年末の忙しい時期、休暇もそうそう取るわけにもいかないし、
  ということで、近場でリフレッッシュしようと、近江路、琵琶湖畔の宿
  −ローヤルオークホテル−を訪ねることにした。





 
   このローヤルオークホテルは20年ほど前に建てられ、当時の建築写真集に掲
  載されたあったことから、一度覗いた記憶はあるが、その時は通りすがっただけで、
  利用はしなかった。
  20年経っても同じ名前で営業しているということは、それなりの支持を得ている
  ことだろうし、リピーターも増えているのだろう。

   土曜日、昼前に自宅を出発、第2京阪、京滋バイパスと乗り継ぎ、瀬田を左に
  とると淡水を溢れんばかりに満たした琵琶湖の畔に落ち着いた佇まいのホテルが
  リニューアルを済ませ、我々の到着を待ち侘びていた。
  
   チェックインの時間には間があるのでホテルの和食店で昼食。 
  落ち着いた和服姿の仲居が「何か苦手な食材とかありませんか」と聞いてくれる。
  「鮒寿司はだめなんです」と、メニューにない品目を告げ、取り敢えず、大阪人
  としてのギャグを一発。

   午後2時を待ってチェックイン、ボーイではなく 女性スタッフが荷物を持って
  部屋まで案内してくれる。 レディファストが染みついている身にはなんだか悪い
  ことをしているような気もするが、荷物を取り上げる訳にもいくまい。
   部屋の鍵は金属の鍵1本、これはカードにして2枚欲しいところだ。






   部屋は通常のツインルームだが日本のホテルでは珍しく40平米以上ありゆっ
  たりした造りだ。
   カミさんは例によりSPAの予約をとり早々に出かける。
   ここには「カジノ」はない、窓の外には広大な琵琶湖の湖面と遠く比叡山の山
  並みが望まれる、室内にはガラス越しの西日が心地よく差し込む。

   湖面の水鳥が騒がしい、ふと、旅姿の男が語りかけるともなく呟いている。
 
  「昔、この地には大津京があったんですが、天智天皇の死後、その子、大友皇子
  と皇弟大海人皇子が、皇位を巡って対立しましてね、後にいう[壬申の乱]ですが、
  大海人皇子(天武天皇)が勝利して即位してからは近江朝は終結してしまいまし
  た」と語りながら

   「近江の海 夕浪千鳥汝が鳴けば 情もしのに いにしえおもおゆ」
   などと和歌を詠む
  「ひょっとして、あなた柿本さん?」と問うと、男は「これから石見の方へ向かう
  ところです」と。

   そこへ、「あ〜気持ちよかった!」とカミさんが帰ってきた。
  「今、柿本 人麿が来てね」と話すと、「あ、昼寝して夢見てたんやな、それに
  してもバクチ打ちらしない高尚な夢やんか」









   夕食はツアーにセットになっているフレンチ、フランス料理といえば、かって
  40年程も前は各メジャーなホテルのメインダイニングは全てフレンチと決まっていたが、
  最近はイタリアンや中華料理、国籍不明の創作料理店にとって代わられて
  いるようだが、ここは頑なにフレンチを守っているようだ。

   昔、ラスベガスで著名なフランス料理店「アントレ」に行った時、メニューに
  記された食材が、鹿肉、兎、鳩、蛙、でんでん虫、海底魚、脱皮したての蟹など
  後ずさりしたくなるような物ばかりで驚いた記憶が昨日の事のように思い出される。
  
   この店のフレンチではそのようなことはなく、食前のワインは、滋賀県内5
  ホテルのソムリエで厳選したという栗東ワインが供され、魚料理は琵琶湖名産の
  ブラックバスのムニエルということもなく、鯛のムニエル、肉料理もフィレ肉の
  グリルとなっていた。デザートは8種類のケーキやアイスクリーム、ヨーグルト
  ババロア等が盛り合わされており、女性の喜びそうな盛りつけで、なかなか手の
  込んだ組み合わせでお勧めだ。

   ホテル中央ホールではフルートとピアノが聖歌の演奏をしている。
   滋賀県に居るのがうそのようだ。

   カジノのないホテルの夜は早い、飲み慣れないワインの酔いも手伝い、夜9時
  には睡魔に襲われる。 朝3時には目覚めてしまうもすることもない、朝食のレス
  トランのオープンは7時だ、ラスベガスやマカオなら24時間営業のカジノや
  カフェがあり、朝3時ならカジノは最高潮の時間だが…などと想いながら二度寝に入る。
  




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