| 英米文学(エンターテーメント) |
| [目次] 1.明日なき二人 (ジェイムズ・クライリー著) 2.合衆国崩壊 (トム・クランシー) 3.日米開戦 (トム・クランシー) 4.容赦なく (トム・クランシー) 5.いま、そこにある危機 (トム・クランシー) 6.愛国者のゲーム (トム・クランシー) 7.暗殺者 (ロバート・ラドラム) 8.図書館警察 (スティーヴァン・キング) 9.東京大震災 (アルバート・アレツハウザー) 10.パニックY2K 2000年1月1日00時00分 (ジェイソン・ケリー) 11.星の王子さま (サン・テグジュペリ) 12.ノドン強奪 (トム・クランシー他) 13.イエスの遺伝子 (マイクル・コーディ) 14.リプレイ (ケン・グリムウッド著) 15.千年紀の墓標 (トム・クランシー著) 16.レインボー・シックス1〜4 (トム・クランシー著) 17.敵対水域 (ピーター・ハクソーゼン他著) 18.マタレーズ最終戦争<上・下> ロバート・ラドラム著 19.謀略のパルス (トム・クランシー共著) 20.ハンニバル<上・下> (トマス・ハリス著) 21.欧米掃滅<上・下> (トム・クランシー共著) 22.ネットフォース (トム・クランシー共著) 23.ソ連帝国再建 (トム・クランシー共著) 24.細菌テロを討て! (トム・クランシー共著) |
| 順に本名・著者・出版社・発行日・蔵書先 なお、敬称は略させていただきます。 評価は無印から★★★まで4段階、★★2つ以上が借り得本です。 |
| 1.明日なき二人 ジェイムズ・クラムリー著 早川書房 1998年8月31日発行 大阪市立中央図書館 |
1960年代の古き良きアメリカらしいリアリスティックで、残虐きわまりない 暴力シーンがいっぱい出てくるワイルドな作品です。 話は簡単で、取られたお金を奪い返すだけなんですが、ハードボイルドファン にはたまらない本かもしれません。 二人の主人公、「酔いどれの誇り」のミロ・ミロドラゴヴィッチと、「さらば甘き 口づけ」のC・W・シュグルーという二大私立探偵が、いずれも一人称記述で 交互に物語を語る趣向になっているので、読み間違えて、頭がこんがらがって しまいました。 ▲先頭へ |
| 2.合衆国崩壊 ★★ トム・クランシー著 新潮文庫 1998年1月1日発行 大阪市立福島図書館 |
紹介文に、「国会議事堂カミカゼ攻撃で合衆国政府は崩壊した。イスラム統一 を目論むイランは生物兵器で合衆国を狙う。大統領ライアンとの対決」と書か れておりました。 前作「日米開戦」で政府首脳が全滅したため、急きょ新大統領に就任した ライアンが最大の危機に見舞われた祖国を救うために立ち上がるお話です。 下調べを十分にしているからこその記述は、相変わらず冴えているし、全4巻 という長編なのに一気に読ませる作品に仕上がっているのは流石だと思いま した。 でも、最近のアメリカの外交政策や著書の作品などをみていると、なにか危険 な動きが感じられてなりません。 ▲先頭へ |
| 3.日米開戦 ★★ トム・クランシー著 新潮文庫 1995年12月20日発行 大阪市立福島図書館 |
紹介文に、「大戦中米軍に肉親を奪われた男が企む必勝の復讐計画。大統 領補佐官として祖国の危機に臨むライアン。待望の超大作、遂に日本上陸」 と書かれておりました。 日本と米国が戦争を始めてしまうお話です。上下2巻と少し長いのですが、 この作品も一気に読み飛ばせる内容になっているのは、さすがです。 コメントは、「太平洋戦争中、米軍に肉親を奪われた日本財界の巨頭が、 アメリカに企む必勝の復讐計画。大統領補佐官として、祖国の危機に臨む ライアン」と書かれています。 日本人として、この作品は少し違うんじゃないかと思わせる箇所があると感じ ましたが、あなたはどうお感じになられたでしょうか? なお、この作品の続きが上記の「合衆国崩壊」となっています。 ▲先頭へ |
| 4.容赦なく ★ トム・クランシー著 新潮文庫 大阪市立福島図書館 |
「一瞬にして家族を失った元海軍特殊部隊員に、二つの任務が舞い込んだ。 麻薬組織を潰し、捕虜救出作戦に向かうクラークの活躍」がうたい文句です。 主人公が珍しくクラークですが、なかなか面白い作品に仕上がっていると思い ます。これを読まれると、他の作品に登場しているときの彼の何か翳のある ニヒルさの原因がわかりますので、一度読まれたらよいと思います。なお、 この作品も全2巻です。 ▲先頭へ |
| 5.いま、そこにある危機 ★ トム・クランシー著 文春文庫 1992年6月10日発行 大阪市立福島図書館 |
「アメリカ大統領が、アメリカ全土をむしばむコロンビアの国際麻薬カルテルを 撲滅するため、密かに軍などの精鋭部隊を送りこんだ。だが、この犯罪行為の 秘密作戦は失敗し、コロンビア山中に見捨てられた兵士を救うため、CIA情報 担当副長官代行のライアンは憤然と立ち上がる!」がコメントです。 世界の警察官を自認するアメリカの作家ならではの題材であったと感じました。 なお、この作品も全2巻です。 ▲先頭へ |
| 6.愛国者のゲーム ★★★ トム・クランシー著 文春文庫 大阪市立中央図書館 |
「ライアンは、ロンドンでの休暇中IRAの分派ULAのテロ事件に遭遇し、重傷 を負いながらも英国皇太子夫妻を救う。しかし、帰国した彼を待ち受けていた のは..」がコメントです。 これは私が一番好きな作品なのですが、映画がいまひとつだったので、とても 残念でした。ある晴れた日のロンドンで事件が起こり、それから手に汗握るスト ーリー展開は、あなたを魅了してやまないのではないでしょうか? なお、この作品も全2巻ですが、一気に読めると思います。 ▲先頭へ |
| 7.暗殺者 ★★★ ロバート・ラドラム著 新潮文庫 1983年12月25日発行 大阪市立福島図書館 |
「僕はいったい誰なんだ?自分の正体を知るための執拗な彼の努力は、当代 屈指の暗殺者カルロスに命を狙われることになるのであった」と書かれていま す。 とても古い作品なのに、いま読んでもとても新鮮なのです。手に汗握る面白さ に感動されるのではないでしょうか。 いっさいの記憶を失った主人公のJ・ボーンと、彼と命がけの逃避行を続ける カナダ人の女性経済学者のマリー・サンジャックとのやりとりも素敵ですし、 当代屈指の暗殺者のカルロスとの駆け引きもなかなかです。 残念ながら、最後に死闘を繰り広げながらも逃げられてしまいますが、次作に つながっていますのでご安心くださいませ! この作品も映画化されたのですが、あまりぱっとしなかったようです。 でも、原作はすごく面白いので、ぜひ一度読んでみてくださいませ! ▲先頭へ |
| 8.図書館警察 ★ スティーヴン・キング著 文藝春秋 1996年10月4日発行 大阪市立福島図書館 |
著者さんの図書館好きな気持ちがひしひしと伝わってくる作品です。 内容は、「少年時代に本を返却するのが遅れて、図書館警官につかまって しまった異常な体験を持つ主人公が、30年後にまたもや、図書館で借りた 本の返却が遅れたため、あのときの図書館警官が現れ、恐怖のどん底に 突き落とされてしまう」という話なのですが...。 「図書館警察の厄介になるべからず! よい子は本の返却日をかならず守りましょう!」 私も図書館警察がこわいので、本の返却日は必ず守ろうと決意したのでした。 ▲先頭へ |
| 9.東京大震災 ★ アルバート・アレツハウザー著 徳間書店 1996年11月30日発行 大阪市立中央図書館 |
表紙に、「マグニチュード8.6の大地震により、東京は壊滅状態となった。 国家機能の中枢は寸断され、秒刻みで死者が増えて行く。掠奪、暴動、疫病 ....。廃墟と化した首都に明日はないのか。惨状を見守る諸外国の対応は? ザ・ハウス・オブ・ノムラで話題をさらったアレツハウザーが、精緻な取材とデー タを基に日本の危機管理能力を鋭く抉る衝撃のパニック・シミュレーション!」 と書かれています。いずれは起こるであろう東京大震災を題材にして、勇猛果 敢に書いてくれています。 面白く読める肩の凝らない作品に仕上がっていますが、なかなかどうして問題 提起の部分もかなりあるんですね。私たちは阪神大震災の教訓を少しも生か すことが出来ないで過ごしているのが、とても悲しく思い出されたのでした。 反論や疑問がいっぱい出てくると思いますが、ぜひ読んでみてくださいませ! ▲先頭へ |
| 10.パニックY2K2000年1月1日00時00分 ★ ジェイソン・ケリー著 集英社文庫 大阪市立北図書館 |
あらすじ、「ソルヴァング社のマークは世界中の2000年問題解決に必死に取り 組んでいた。そんな折、米国防総省から強圧的な協力要請が。ハイテク米軍も Y2Kに脅かされているという。時すでに遅く、日本から始まったコンピュータ システムの崩壊は、世界中で惨事の連鎖を起こす。南シナ海では国籍不明の 艦艇が米駆逐艦を撃沈。背後にはこの危機に乗じた陰謀があり、世界は第三次 世界大戦勃発の瀬戸際に!」。 原題は、「Y2K:It’s already too late 」というそうです。 いかにも、間に合わないという感じがでていると思いませんか!? 非常に面白くて、徹夜して読んでしまいました。でも、最後が良くないのですね。 なんか続編がすぐにも出るのではないかと思わせる結末なのですが、残念な がら答えは2000年にならないとわからないのかも知れません。 こういう新刊が読めるのですから、図書館大好き人間といたしましては嬉しくて たまりません。前書きのところに、対策案が書かれておりますので、参考にされ てもよいのではないでしょうか!? 「食料、水、医薬品を自宅に備えて下さい。 懐中電灯や非常灯、ラジオも必要です。 銀行その他の預金記録のコピーも用意して下さい。」と書かれていました。 彼らのウェブサイト(www.y2kbook.com)があるそうですので、 一度アクセスされても面白いかもしれません。 ▲先頭へ |
| 11.星の王子さま ★★ サン・テグジュペリ作 内藤 濯訳 岩波書店 1962年11月27日発行 大阪市立福島図書館 |
この本は童話なのですが、適当なページが見当たらないので、英米文学のペ ージに入れました。この高度の童話を書いた人は、アントワーヌ・ド・サン=テグ ジュペリというフランスの作家だそうです。1900年6月29日、リオンに生まれ、 1944年7月31日、フランスの飛行中隊長として、コルシカ島の沖合を偵察し ているうちに、姿を消したといわれている人です。 ふつうの家ほどの大きさもない星が、玉のように美しくて清らかな王子の故里に 見たてられていて、その星に住む王子さまは、他の星へ旅立ちます。 そして、親身になって話をしかける相手を訪ねてまわるのですが、変におとな振 った手合いばかりで、この人はと思うほどの人には、なかなか出あいません。 そして、地球にやってきて、砂漠で遭難した航空士と出会うのですが...。 「かつて子供だったことを忘れずにいるおとなはいくらもいない」と作者は言って います。物事をそのままあるがままに見ることが出来ない人であふれかえって いるこの国を、作者さんはどう書くであろうかとふと思ったのでした。 もし、まだ読んでおられないようでしたら、童話の域を超えているこの童話を ぜひ読んでみていただけたらと強く感じたのでした。 ▲先頭へ |
| 12.ノドン強奪 ★ トム・クランシー・スティーヴ・ピチェニック 新潮文庫 1998年10月1日発行 大阪市立福島図書館 |
裏表紙に、「大統領就任式典に沸く韓国のソウルで無差別爆弾テロ事件が 発生。米国の諜報機関オプ・センターは、特殊部隊ストライカー・チームを緊急 出動させて朝鮮半島有事に対処するが、<黒い陰謀>はすでに北朝鮮のノ ドン・ミサイル乗っ取りに成功しつつあった。精鋭たちが集う秘密組織を率いる フッド長官が、KCIA幹部と第2次朝鮮戦争勃発阻止に果敢に挑む。 軍事謀略新シリーズ、発進!」と書かれております。 なお、この作品は共著なんですね。もう一人はスティーヴ・ビチェニック氏で、 彼の経歴は、「精神科医・作家、ハーバート大卒後、マサチューセッツ工科 大で国際関係論の博士号を取得する。著書に<書記長のクーデター計画> などがある」とのことです。 言わずと知れた我らがヒーローの「ライアン博士」に代わって、新シリーズの ヒーローが登場しました。その名は、オプセンター長官の「ポール・フッド」。 そのオプセンターというのは、紛争をできるだけ隠密裏におさめる目的のため に設立されているんですね。この事件を評価されて、オプセンターは公式に 認められて、正式な機関として活動を開始し、この後、4冊の本が出ているそ うです。 従来のクランシーの作品に比べると、いくぶん平和を好む筆致が感じられると 解説に書かれている通り、タイプの違う作品に仕上がっているようです。 なお、この「ポール・フッド」の設定は、<軍人ではなく、元ロサンジェルス市 長であり、家族を大事にしながら、いっぽうでは苦労して組織をまとめる如才 のない人物で、どこかの国?の企業の中間管理職>のようなのでした。 読んでいて、いくぶんインパクトに欠けるところもありましたが、面白い作品に 仕上がっておりますので、よかったら借りてくださいませ!? ▲先頭へ |
| 13.イエスの遺伝子 ★★ マイクル・コーディ著 徳間書店 1998年3月31日発行 大阪市立図書館共有 |
[あらすじ] 遺伝学者のトム・カーターが、人間の設計図ともいえる遺伝子の 内容をすべて解読する装置を開発した功績により、2002年にノーベル賞を 受賞した場面から始まります。会場を出たカーターを待っていたのは、彼の命 を狙う暗殺者の銃弾でした。この事件でカーターの妻は命を落とし、検死解剖 によって、彼女が脳腫瘍をわずらっていたことが明らかになります。 このため、八歳になる娘のホリーの遺伝子を調べ始めるのですが...。 不安は的中し、発病までの期間がわずか一年しかないことが判明します。 カーターはすべての道がふさがれたように思えたとき、すでに奇蹟的な治療能 力をもっている人物の力を借りればいいと考え始め、イエス・キリストの遺伝子 、すなわち<神の遺伝子>の謎を解こうとするのですが....。 この作品は、遺伝子スリラーです。版権は20カ国以上に売れ、ディズニーが 160万ドルで映画化権を取得したそうです。このため、著者さんは、「本を一冊 も売らないうちから百万長者になってしまった作家」と言われているそうです。 「娘を救おうとするカーターの闘いに、救世主の復活を待つ秘密の宗教団体や 謎の過去をもつ暗殺者がからみながら、神の遺伝子の謎が明らかになってい く」というストーリー展開は、最後まで読者を飽きさせない内容なのでした。 私はこの作品を読んでいて、トム・クランシーの「暗殺者のゲーム」を思わず思 い出してしまい、ハリソン・フォードが主演すればいいなあと勝手に決めていた のでした。 ▲先頭へ |
| 14.リプレイ ★ ケン・グリムウッド著 新潮文庫 1990年7月25日発行 大阪市立福島図書館 |
カバーに、「ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしている ジェフは、43歳の秋に死亡した。気がつくと学生寮にいて、どうやら18歳に逆 戻りしたらしい。記憶と知識は元のまま、身体は25年前のもの。株も競馬も思 いのまま、彼は大金持ちに。が、再び同日同時刻に死亡。気がつくと、また−。 人生をもう一度やり直せたら、という究極の夢を実現した男の、意外な、意外な 人生」と書かれておりました。 書評のHPを開設されている方々のページを拝見していたら、この本の紹介があ り面白そうだったので、借りて来ました。10年ほど前の作品なのですが、テー マが素敵なだけあって、今読んでもすごく面白かったのでした。やはり1988年に 第14回世界幻想文学大賞を受賞しただけのことはあり、「人生がやり直せたら 、というのはあらゆる人間が抱いている夢」を、爽やかで人を夢中にさせる読み 物に仕上げた著者さんには感心したのでした。 ▲先頭へ |
| 15.千年紀の墓標 ★ トム・クランシー著 二見文庫 1999年12月25日発行 大阪市立福島図書館 |
カバーに、「エリツイン大統領が急死したロシアでは、権力の座をめぐり熾烈な 争いが展開され、また、深刻な農作物の不作に見舞われてかってない飢餓の 危機にさらされていた。そして1999年12月31日。新しい千年紀の到来を祝う カウントダウン・セレモニーに大群衆が集まったマンハッタンで、爆弾による無 差別テロ事件が発生。捜査の結果、容疑者としてロシア政府の要人が浮上す る。巨大企業の経営者ゴーディアン率いる危機管理特殊部隊<剣>に出動命 令が下った!」と書かれておりました。 私の大好きな著者さんが、全六巻の予定で開始した<POWER PLAYS>シリー ズ第一作だそうです。このシリーズの主人公はロジャー・ゴーディアン、アップリ ンク・インターナショナルという衛星通信技術を核にした世界的企業の経営者で 、ベトナム戦争で戦争捕虜になった経歴を持っている人物です。彼は民間人と して初めて主人公をつとめているのですが、前シリーズのライアンがあまりにも 偉大すぎたため、著者さんも新ヒーローを誕生させるのに大変苦労されている のをひしひしと感じてしまいました。 さて、<剣>は戦うさいには、非致死性火器≠使用することが多いのが特 徴なんですね。ですので、ハードボイルド小説には登場しないめずらしい武器が 次々出てくるのが印象的でした。 ▲先頭へ |
| 16.レインボー・シックス<1〜4> ★★ トム・クランシー著 新潮文庫 2000年1月1日発行 大阪市立福島図書館 |
裏表紙に、「冷戦終結後、国際テロに横断的に対処すべく、世界最強の多国 籍特殊部隊<レインボー>が新設された!SASやデルタ・フォースの精鋭を 集めた秘密組織の長は、元CIA工作指揮官のジョン・クラーク。 発足して間もなく、ベルンやウィーンで旧西独極左集団による人質事件が続発 する。その裏に見え隠れする元KGB大佐の影・・・・。 ニューヨークで、何者かによりホームレスや若い女性が次々と誘拐された。 彼らを実験台にして秘密裏に進行する<プロジェクト>とは?スペインに新設 された世界最大のテーマ・パークで人質になった子供を救うべく、現場に急行 した特殊部隊レインボーの活躍をよそに、狂信的エコロジストによる恐るべき 人類選別計画は、着々と練り上げれていた。 相次ぐテロに怯えるオーストラリア警察から、グローバル・セキュリティ社は、 まんまとシドニー・オリンピックの保安管理契約を取りつける。その社長ヘンリ クスンが、元KGB大佐ポポフに持ちかけたレインボー部隊殲滅計画は、大胆 にもIRA過激分子にクラークの妻子を人質に取らせようというものだった。奇襲 攻撃を受けたレインボーは、絶体絶命の危機を乗り切ることができるのか! KGB退役大佐ポポフには、なぜ世界的医薬企業ホライゾン社代表のブライトリ ングが、テロ事件の黒幕なのかわからなかった。驚愕すべき陰謀を知り、キャ ンザス州の同社施設から逃げ出したポポフは、昨日までの宿敵J・クラークに コンタクトを取る。シドニー・オリンピック閉会式の当日、恐るべき致死性ウィル スが会場の意外な場所に仕掛けられる。人類絶滅の日が、いま迫った!」と 書かれておりました。 『容赦なく』で大活躍したあのジョン・クラークが主人公です。彼はレインボーの 指揮官として、後方担当の背広組になってしまったのですが、それでもしっか り娘婿のデイングことドミンゴ・シャベスを引き連れて大暴れしてくれています。 大統領になっているジャック・ライアンが全く登場しないのが残念でしたが、著 者ならではの息もつかせぬストーリー展開に感激してしまいました。 今回も最先端の新兵器やエレクトロニクス機器、致死性ウィルスなどの生物化 学兵器をふんだんに登場させて、著者さんの情報収集力のすごさを披露してく れていますし、読んで損はない娯楽超大作なのでした。 ▲先頭へ |
| 17.敵対水域 ★★ ピーター・ハクソーゼン、イーゴリー・クルジン、 R.アラン・ホワイト共著 文藝春秋 1998年1月25日発行 大阪市立図書館共有 |
「本書は、ソヴィエトのミサイル原潜K-219号の沈没の事実を、生存者の証言 、航海日誌、公式調査記録、そして海上あるいは地上でこの事件に何らかの 関わりを持った米ソ両国の関係者の話をもとに再構築したものである。1986年 、海中に失われたミサイル原潜の物語である。これは、勇気と卑劣さ、そして 究極の自己犠牲についての物語である。そしてこれは、かつて一度も語られ たことのない物語でもある。」と書かれておりました。 この作品は、ノンフィクションです。実際に起こった非常に悲しいお話なのです が、臨場感にあふれ、しかも切々と心に染みる感動的な物語の形で書かれて います。 ミサイル・ハッチから微量の海水が漏れ入ってきたため、爆発事故が発生しま す。そして、原子炉が制御不能になってオーバーヒートしてきたため、原子炉 を手動で停止させるためにたった一人で暗闇へと水兵が梯子をおりていくので した。緊急浮上に成功したにもかかわらず、避難させた部下たちを沈みゆく艦 に戻すよう本国から命令された艦長は、一人で艦を沈めに行くのですが...。 勇気ある艦長の生き様には感動してしまって、思わず泣いてしまいました。 とても哀切ですが、読んだ後、なぜか勇気が出てきた作品でした。 ▲先頭へ |
| 18.マタレーズ最終戦争 <上・下> ★★ ロバート・ラドラム著 角川文庫 2000年9月25日発行 大阪市立福島図書館 |
上巻の裏表紙に、「四人の国際的実業家が同時に殺害された。その一人が 死ぬ直前、『マタレーズが復活した。ベオウルフを探せ』と言い残した事から、 CIA副長官シールズは、一人の男の行方を捜す。マタレーズとは、国際経済 を陰で操り、政治的な世界制覇を目論む強大な闇の組織だった。そして、ベオ ウルフこそ、かつてこの巨悪組織を壊滅に追い込んだCIA諜報員だったが、任 務終了後組織を辞め、姿を消していた。だが、二十年たった今、マタレーズは 再び力を取り戻し、世界制覇に向けて邪悪な陰謀を作動させはじめていたの だ・・・・。巨匠ラドラムが二十年ぶりに放つ、傑作『マタレーズ暗殺集団』待望 の続編!」と書かれておりました。 また、下巻の裏表紙には、「ベオウルフことスコフィールドは若きCIA諜報員プ ライスと組んで、マタレーズ阻止のために動き始めた。だが二人が活動を始め た途端、襲撃が始まる。二人の行動は敵に筒抜けだったのだ。マタレーズは 世界中のあらゆる主要企業に入り込んでおり、CIAも例外ではなかった。敵の 手の内を知り尽くしたスコフィールドの活躍で、かろうじてマタレーズの動きに 先んじ、じりじりと敵の牙城を切り崩してゆく二人。だが、その間にも、マタレー ズは着々と企業を買収統合し、世界制覇に近づいていた・・・・。千変万化、波 瀾万丈、息もつかせぬ、アクション巨編。」と書かれておりました。 久し振りに読んだラドラムさんの作品は、とっても面白かったのでした。手に汗 握る大活劇は相変わらず健在ですし、一気に上下二巻を読ませてしまうストー リー展開には圧倒されてしまいました。また、七十歳になるスコフィールドと妻 のアントニア、キャメロン・プライスとレスリー・モントローズとの愛のインタール ードも、とても素敵なのでした。でも、残念ながら、本を読む順番を間違えたよう で、さきに『マタレーズ暗殺集団』を読むべきだったと反省してしまいました。 七十歳になっても、こういう素晴らしい作品を書かれている著者さんには脱帽 なのでした。 ▲先頭へ |
| 19.謀略のパルス ★ トム・クランシー、マーティン・グリーンバーグ著 二見書房 2000年12月15日発行 大阪市立福島図書館 |
カバーに、「合衆国のスペースシャトル<オリオン>打ち上げ6秒前。悲劇は そのとき起きた。エンジンが火を噴いたのだ。たちまちシャトルは炎と黒煙に呑 み込まれた。打ち上げに関与していたアップリンク社は直ちに原因の調査を開 始する。が、その数日後、ブラジルにある同社の宇宙ステーション製造施設が 謎の武装集団に襲撃された。果たして事件の裏に潜む戦慄のシナリオとは? 人気シリーズ第3弾!」と書かれておりました。 トム・クランシー、マーティン・グリーンバーグによるPOWER PLAYSシリーズ の三作目です。この作品では、国際宇宙ステーション建設計画が標的となっ ていて、また、お楽しみのハイテク・バトルには、歩兵のハイテク化と情報化を 進めた次世代戦闘装備や、正義を守るスーパーチーム<剣>の最先端非致 死性兵器が続々登場しています。 いつも通りの、手に汗握る大活劇が展開されていて、ストレス解消に、気分転 換に最適な本なのでした。 ▲先頭へ |
| 20.ハンニバル<上・下> ★★ トマス・ハリス著 新潮文庫 2000年4月10日発行 大阪市立中央図書館 |
カバーに、「あの血みどろの逃亡劇から7年−。FBI特別捜査官となったクラリ スは、麻薬組織との銃撃戦をめぐって司法省やマスコミから糾弾され、窮地に 立たされる。そこに届いた藤色の封筒。しなやかな手書きの文字は、追伸に こう記していた。『いまも羊たちの悲鳴が聞こえるかどうか、それを教えたまえ 』・・・・。だが、欧州で安穏な生活を送るこの差出人には、仮借なき復讐の策 謀が迫っていた。レクター博士はアメリカに帰還する。執念を燃やす復讐鬼は 、クラリスを囮に使って博士をおびき出す計画を整えつつあった。その先には、 究極の美食家に対する究極の屈辱となる報復が用意されている。かくして、 “怪物と天使”の運命は凄絶に交錯するときを迎えた・・・・。スティーヴァン・キ ングをして『前作を凌ぎ、「エクソシスト」と並んで20世紀に屹立する傑作』と言 わしめた問題作、登場。」と書かれておりました。 「羊たちの沈黙」以来十一年、とうとう姿を現したハンニバル・レクター博士は、 今回は黒い瀟洒なスーツに身を包め、ハープシコードを奏でながらの登場なん ですね。圧倒的存在感は健在ですし、クラリス・スターリングは相変わらず魅 力的に描かれているし、レクター狩りに狂奔する異形の富豪、メイスン・ヴァー ジャーの壮絶な復讐は凄かったのでした。また、下巻の舞台がフィレンチェに 設定されていたのも素敵でした。 この二人の主人公を永遠の時間に塗り込めてしまったような結末には、アゼ ンとさせられましたが、とても素晴らしいサイコ・スリラーでした。 ▲先頭へ |
| 21.欧米掃滅 ★ トム・クランシー、スティーヴ・ピチェニック共著 新潮文庫 2001年3月1日発行 大阪市立福島図書館 |
カバーに、「映画のロケ中だった。各地で右翼団体が集結し暴徒と化している ドイツで、旧ドイツ軍の遺物を満載したトレイラーの襲撃事件が発生。乗ってい たアメリカ人女性も誘拐された。折しも、最新鋭のハイテク機器購入のためドイ ツを訪問していたオプ・センター・チームは、米国と欧州を同時に陥れる、憎悪 を利用した邪悪な陰謀に挑むことになったが−。好評の国際謀略サスペンス 第三弾! インターネット上に人種差別を煽るゲームを配信しようと企む会社の 存在が明らかになった。アメリカでは五大都市で白人による黒人ラッパーのリ ンチ殺人が続発。民族間の緊張が一気に高まり、一触即発状態になっていた 。一方、車椅子の情報官ハーバートは、誘拐されたアメリカ人女性の手がかり を求め、単身ネオナチの集会へと向かった! 米独仏を巻き込んだ巨大な陰 謀の行方は−。」と書かれておりました。 この作品の主人公は、ボブ・ハーバート情報官のようでありまして、彼は車椅 子で山野を駆け巡りながら一人で縦横無尽の大活躍をしてくれています。とく に、誘拐されたアメリカ人女性・ジョディ・トンプソンとのやりとりが非常に面白か ったのが印象的でした。愛と勇気と知恵で窮地を切り抜けてくれる楽しい冒険 小説でしたが、ハイテク化と情報化を進めた次世代戦闘兵器が登場していな かったのが少し残念でした。 ネオナチズムの渦巻くドイツと、新ジャコバン派と称する極右組織の暗躍するフ ランスが主な舞台になっていたのですが、最近の靖国神社の動向を見ていて わが国も決して他人事ではないのだと痛感させられた作品でもありました。 ▲先頭へ |
| 22.ネットフォース ★ トム・クランシー・スティーヴ・ピチェニック共著 角川書店 1999年9月25日発行 大阪市立中央図書館 |
カバーに、「2010年、急増するネット犯罪に対処するため、FBI内に特捜隊『ネ ットフォース』が設立された。FBI、NSA、全米の一流大学、警察および軍事部 局から集結した超一流のエージェント達が、ネット最速のコンピュータを駆使す る世界最強のチーム。だが、世界均衡の破壊をもくろむコンピュータ・テロリス トたちは、『ネットフォース』司令官の暗殺から始まる周到なシナリオを実行に 移そうとしていた−。クランシーが圧倒的なリアリティで現代社会に警告する 近未来サスペンス。」と書かれておりました。 著者さんの作品は、非常に怖い部分(「日米開戦」で最後にジャンボ旅客機 がアメリカの国会議事堂に突っ込むシーンがあったのでした)がありまして、 この作品でも、現実社会でも頻発しているサイバーテロも題材にしてくれてい ます。 RW(現実社会)とVR(仮想世界)の両方の舞台で、ネットフォースのメンバー とテロリストが戦闘を繰り広げていくストーリーに圧倒された作品でした。 でも、実際にこんな事件が起こったら、どうしようと思わず考え込んでしまった でした。 ▲先頭へ |
| 23.ソ連帝国再建 ★ トム・クランシー、スティーヴ・ピチェニック共著 新潮文庫 2000年8月1日発行 大阪市立中央図書館 |
カバーに、「新大統領が誕生したばかりのロシア。選挙戦に敗れた内相は、 民主化に傾く新体制に反発。国家主義の右派やマフィアと手を組み、かつて のソ連帝国再建を願うクーデターをもくろんでいた。ロシア側の不穏な動きを 察知したオプ・センターは、極秘裏にクーデター阻止作戦を開始するが、ロシ アの諜報機関もまた最先端技術を駆使してこれを迎え撃つ−米ロ諜報機関 が対決する軍事諜略小説!」と書かれておりました。 この作品は、危機即応チーム<オプ・センター>シリーズの第二弾だそうで して、「ノドン強奪」の続編なのでした。 ロシア・マフィアがニューヨークのクイーンズ−ミッドタウン・トンネルを爆破し て、アメリカ市民を人質に、アメリカの介入を阻止しようとする想定はスゴイで すし、ロシアの超極秘機関<作戦センター>を、エルミタージュ美術館の地 下に設置したという設定には驚いてしまいました。この作品でも、最先端の 新兵器が登場していますし、著者さんらしいテンポのいいストーリー展開が 心地良かったのでした。 ▲先頭へ |
| 24.細菌テロを討て!<上・下> ★ トム・クランシー/マーティン・ グリーンバーグ共著 二見書房 2001年11月25日発行 大阪市立福島図書館 |
カバーに、「アメリカ経済の中心地・ニューヨーク証券取引所。朝の喧騒のな か、ひとりの男によって改造アタッシュケースから謎のガスが噴射された。 ほぼ同じ頃、フロリダ上空を飛ぶ農業飛行機からも、旅客を満載した国際線 ジャンボ機内にも散布される。それは最新の遺伝子工学によって生まれ、一 度感染すると治療法のない新型ウィルスだった。その恐怖のスーパー病原体 が巨大企業アップリンク社に向けて放たれる! アップリンク社の創業者ゴー ディアンは、謎のウィルスに感染し、危篤に陥った。その裏に恐るべき陰謀を 嗅ぎつけた同社の私設特殊部隊<剣>がついに出動を開始する。最新の遺 伝子工学が生んだスーパー病原体とは? 暗躍するテロリストたちの真の狙 いとは? 死に瀕するゴーディアンの運命に全人類の行方がかかっていた。 生物化学兵器の恐怖を予告した巨匠の人気ハイテク・アクション・シリーズ第 4弾!」と書かれておりました。 米国の巨大企業アップリンク・インターナショナルの創業者ロジャー・ゴーディ アンに放たれた恐怖の病原体が、本当の主人公でありまして、その抑制剤は 薬剤ではなくコンピュータ・モデルの形でCD=ROMに保管されていたという設 定は凄いのですね。でも、物語の始めに色々な箇所に散布された新型ウィル スが、結局どうなってしまったのかよくわからないのが残念なのでした。 上巻は非常につまらなかったのですが、下巻は一気にお話は急展開して、い つも通りの手に汗握る大活劇でした。それにしても、十年ほど前から、テロを 題材にして新シリーズを続々執筆されている著者さんの先見性には目を離せ なくなってきたと痛感した作品でした。 ▲先頭へ |