ホームへリンク 図書館で借りてきた本へリンク

建築・建築設備(2)

■建築・建築設備1のページに行く
[目次]
31.ビル環境経営のための設計・施工べからず集 PART2 (木村 宏著)
32.建築設備の維持管理 (松浦房次郎・田中毅弘共著)
33.建築設備英語1 (安藤紀雄著)
34.ネットワーク インテリジェントビル (IBX研究会編著)
35.図解 ISO14000早わかり (唐住尚司編著)
36.クレーム・トラブル・バスターズ (商店建築編集部編)
37.事例で学ぶ配電線波及事故と対策 (オーム社)
38.新建築基準法 (彰国社)
39.マンション−安全と保全のために− (小林一輔・藤木良明共著)
40.地震とマンション (西澤英和・円満寺洋介共著)

(順に本名・著者・出版社・発行日・蔵書先 なお、敬称は略させていただきます)
評価は無印から★★★まで4段階、★2つ以上が借り得本です。
31.ビル環境経営のための設計・施工べからず集 PART2 ★ 木村 宏著
1990年8月31日発行  大阪市立中央図書館

[目次]  1.建築編 /2.建築設備編 /3.維持管理1−建築編 /4.維持
      管理2−建築設備編 /5.維持管理3

カバーに、「適正な維持費で、建物のライフ・サイクル・コストを低く抑え、ビル環境
における各種のトラブルを未然に防止するためには、どんな注意が必要か? 
本書は、実例を通して、設計・施工・設備の維持管理各分野についての留意点を
写真を中心にまとめた第2弾です。」と書かれておりました。

この本は、「設備と管理」1990年2月別冊として発行した「ビル環境保全のための
設計・施工べからず集PART2」を改題し、単行本化したものだそうです。
まあ、これだけの種類のトラブルが発生しているものだと変に感心してしまいまし
たが、原因も色々あるのですね。見ていると、設計・施工時の配慮が足りないこと
に起因するものが多いようでした。

本のなかで、「資源の尊重と物質循環重視の機運が高まっている今日こそ、ビル
の計画・設計も、見てくれ優先の思想から、社会財としての効率的利用を目指し
た維持管理重視型へ転換を図るべき時期であるといえよう。」と書かれていたのが
印象的でした。

先頭へ
32.建築設備の維持管理 ★★★  松浦房次郎・田中毅弘共著
技術書院  1998年11月25日発行  大阪市立中央図書館
 

[目次] 第1章 維持管理の基礎 /第2章 維持管理技術 /第3章 維持管理
の実施 /第4章 機器の信頼性・保全性予測 /第5章 維持管理の高度化に
対応した関連知識

まえがきに、「本書では、重要な任務を帯びている『維持管理』を主題とし、それら
を支える技術と業務内容を、短時間で理解していただけるように工夫して編纂した
ものである」と書かれておりました。

この本は、「実際に維持管理の現場で実務に従事しておられる方々が、実務を行う
うえで必要な基礎知識を網羅するとともに、初期性能を決定する設計者、経営者や
ビルオーナーの方々にも、維持管理の技術と業務内容を理解していただくための
入門・実務書としてまとめた」と書かれている通り、なかなかの本でした。

「第4章 機器の信頼性・保全性予測」を除けば、優れた入門書だと思いますし、維
持管理の実務でも、作業手順や留意点などのポイントを、できるだけ図表を入れな
がらまとめてくれているので、マニュアルとしても使える良書でした。
値段が高い(本体3,600円)のですが、手元に置いておきたくなってしまった本なの
でした。

先頭へ
33.海外建築設備技術者のための建築設備英語1 ★★★ 安藤紀雄著
理工図書  1993年3月31日発行  大阪市立中央図書館

[目次] Chiller (冷凍機) /Cooling Towers (冷却塔) /Boilers
(ボイラー)/Pumps (ポンプ) /Air-conditioners (空調機)とFans
(送風機) /Air-filters (空気ろ過器) /Automatic Control Instruments
(自動制御機器)/Heating Equipments (暖房用機器) /Potable Water/
Sewerage System (上下水道設備) /Domestic Water Supply System
(給水設備) /Domestic HotWater Supply System (給湯設備) /
Drainage/Vent System (排水/通気設備)その1、その2 /Storm Water/
Special Waste System (雨水排水/特殊排水設備) /
Night Soil Purification System (し尿浄化設備) /Fire-fightingSystem
(消火設備) /City Gas Supply System (ガス設備) /
KitchenEquipments (厨房機器) /Sheet Metal Work (風道工事)1・2
/Piping Works (配管工事)1・2 /Insulation Works (断熱保温工事)
/PaintingWorks (塗装工事) /Centrifugal Chillers (ターボ冷凍機)
/Steam BoilerPiping Diagram (蒸気ボイラー廻り配管系統図) /
Boiler Structure (ボイラーの構造) /Valves (弁類) /
Types of Clean Rooms (クリーンルームの種類)/Solar System
(太陽熱利用システム)

この本は、オーム社から発行されている『設備と管理』というビルメンテナンス関係
者向けの専門誌に連載されていたものをまとめられたものです。
内容自体はとても難しいのですが、“脱線コーナー”はとても面白いので、このコー
ナー目当てに、再び借りてきました。めったに、こういう単語を使うことはないのです
が、海外旅行に行った時、避難経路の確認時や部屋の設備の故障時など、思い
のほか役に立ったのを思い出したのでした。
なお、図書館には4巻まで揃っておりますので、建築設備英語に興味のある方は、
ぜひ借りてみてくださいませ!!

先頭へ
34.ネットワーク インテリジェントビル 中小ビルの生き残り戦略 ★★
IBX研究会編著  ダイヤモンド社  1989年9月14日発行
大阪市立中央図書館

[目次] 1.このままでは危ない、明日の中小テナントビル /2.21世紀への中小
ビル生き残り戦略 /3.ネットワークインテリジェントビルの実際。

この本は、一握りの超高層ビルや巨大ビルにではなく、全国どこにでもある中小ビ
ルに焦点を当て、その未来展望のもとに、どのようにして情報通信インフラストラクチ
ャーを構築したらよいのか、また、超高層ビルや巨大ビルに負けない輝かしい中小
ビルの姿を描くには、「ネットワークインテリジェントビル」化しかないのだと提言して
くれている良書です。
人間的スケールを持つ中小ビルは、個々の中小ビルが与えられた役目を果たしつ
つ、高度な情報通信ネットワークによって結ばれ、「情報通信の受発信基地」となる
べきだという提言はすばらしかったのでした。

発行が1989年と11年前の本なのですが、バブルがはじけたためか、中小ビルのイ
ンテリジェント化はあまり進んでいないようなので、まだまだ参考になる部分があっ
たように感じました。
21世紀には、IT革命を通して、素晴らしい中小インテリジェントビルが多く出現して
いるに違いないと強く予感させてもらった本でした。

先頭へ
35.図解 ISO14000早わかり ★  唐住尚司編著
中経出版  2000年8月10日発行  大阪市立福島図書館

[目次] 第1章 今なぜISO14001なのか /第2章 認証取得事例−認証の取り
方、生かし方 /第3章 ISO14001の基本を理解する /第4章 ISO14001規格
要求事項の解釈を理解する /第5章 迷惑な規格解釈例 /第6章 環境マネジ
メントシステムの構築手順 /第7章 ISO14000今後の動向。

カバーに、「環境マネジメントシステムの基本と実例、導入の方法−環境経営は今
や社会のニーズ! 認証取得のメリットは多種多様! 取り組み事例を、業界別に
解説、 規格要求事項解釈のツボを公開! システム構築の手順がよくわかる、
ISO14000、今後の動向は?」と書かれておりました。

最近、身の回りでも環境マネジメントシステム(ISO14001)の導入が流行っている
ので、借りてきました。さて、この本では簡潔・明瞭に解説しながら具体的にシステ
ム構築において、手戻りなどなく効率的に構築でき、かつ経営上も役立つような効
果的なシステムを作るための方法についても説明してくれています。
また、ISO14001の取り方・経営上の生かし方を実際に成功している企業の事例も
紹介して説明してくれています。

「どの項目も見開きで、ひと目で理解できるように、図解を豊富に取り入れて説明し
、まったく予備知識がない方でも、十分に理解していただける入門書となっていま
す。」と書かれておりましたが、残念ながら私には難しすぎて、よく分からなかった
本でした。でも、ISOの基準に合格した会社は優良な企業として認められてきてお
り、環境というものが経済システムのなかでスタンダード化されてきているようなの
で、もう少し頑張って勉強してみようかなと思ったのでした。
なお、図書館さんの分類では「建設工学・土木工学」になっておりましたが、建築の
ページに入れさせていただきました。

先頭へ
36.クレーム・トラブル・バスターズ ★★★  商店建築編集部編
商店建築社  1999年6月30日発行  大阪市立中央図書館

[目次] 1章 PLANNING−事業は生き物・お金はナマモノ トラブル未然防御策
「予算」と「実行」の問題に迫る! “商業”という視点の意味と重要性 専門家に
求められる能力 些細なこと・基本を大切にする /2章 DESIGN−クレーム・トラ
ブルから得た九つの教訓 突発事態は柔軟思考でリカバリーせよ 図面は見るも
のではなく読み取るもの 広さは魔物、詐欺師との差 紙一重 虫が教えてくれた
二つの教訓 扉にまつわるトラブル三題 吹き出し口からゴミが・・・ダクト径と容量
のバランス ●美容室−水回りは動線計画の中心 パーマをかけると気のつくこ
と 下地補強と位置決め 届け出に関すること・事前確認のポイント /

3章 EQUIPMENT−●ライティング−「明るい」「暗い」の基準は何か 光源の性能
が向上するほど精度の高い照明計画を 空間に対する光の効果と照明器具計画
を 目に見える「光」以外のトラブル /●キッチン−ドライキッチンの意味を知って
いますか?! 議事録のない約束は無効ですヨ! 厨房を取り巻く設備工事のトラ
ブル・・・ トラブルの有無は仕事への取り組み方の評価 /●ラバトリー−トイレ設
計は矛盾ばかり 持続する快適さを求めて 女性がトイレでしていること トイレ百
景 おじさん、OL、コマダム、パパ・・・への配慮 和便と洋便、どっちでする?。

まえがきに、「設計・監理において、クレームやトラブルは日常茶飯事(?)。相手
はクライアント、業者だったり、あるいは時としてスタッフだったり・・・。伝えたは
ず、指示したはず、記されているはず、聞いたはず、でも・・・そんなはずないのに。
クレームやトラブルは、得てしてゴク簡単な誤解、思い込みが、その原因の大半と
言えそうです。ここには、さまざまなクレーム・トラブルと解決、対処の仕方が、それ
ぞれの執筆者の言葉、表現で紹介されています。ぜひ、参考にさて、日々の仕事
に役立てていただければ幸いです。」と書かれておりました。

とても勉強になる本でありまして、よくぞ執筆、出版してくださったと感謝でいっぱい
です。通常、こういうマイナーな情報はなかなか部外者には入ってこないので、自
分が遭遇出来た?クレーム・トラブルしか解決・対処の仕方が分からないといった
カタチになりがちなのですね。第一線で活躍されている方々が、“若いデザイナー
たちのために”執筆された本ですが、出来上がった建物の設備管理をしている私に
も、非常に参考になったのでした。

建築・建築設備全般のこういった事例を紹介しながら、解決・対処法を網羅したデ
ーターベースが、インターネット上に構築される日が一日も早く実現しますように!
と心から願いながら読み終えた良書でした。

なお、この本は、1995年1月号から連載されている『月刊商店建築誌』の「クレーム
・トラブル・バスターズ」の、1995年1月号から98年9月号までの連載分を再編成さ
れたものだそうです。

先頭へ
37.事例で学ぶ配電線波及事故と対策 ★★ 森田 潔・佐野真鈴共著
オーム社  2001年2月20日発行  大阪市立中央図書館

[目次] 第1章 高圧受電設備のしくみと電気事故 /第2章 事例で見る配電線
波及事故と対策 /第3章 配電線波及事故とその傾向。

カバーに、「電力会社の配電線を停電させる波及事故は、付近一帯の住宅や商店
、事務所ビルなどに多大な迷惑をかけ、社会的に大きな影響を与えます。本書は、
高圧受電設備のしくみをはじめとして、万一、波及事故になったときの監督官庁へ
の電気事故速報および電気事故詳報の書き方、電子申請による方法などを収録し
てあります。また、事故の発生から復旧までをドキュメンタリー風に2例紹介すると
ともに、実際に起こった代表的な配電線波及事故の事例を30例収録し、事故発生
前の状況、事故発生の状況、復旧の状況、事故再発防止対策などについて写真
や図を多用し、克明に解説してあります。自家用電気設備の電気主任技術者は、
電気事故が起こらないよう日頃から保守・管理をする責務があります。本書の事故
事例を他山の石として、今後のメンテナンスに役立てていただければ幸いです。」
と書かれておりました。

財団法人関東電気保安協会さんが電気保安管理業務を受託されている自家用電
気工作物で実際に発生した波及事故事例をもとに執筆されているので、非常に参
考になったのでした。白黒写真ではありますが、事故時の現場や復旧後の模様も
たくさん掲載してくれています。事故を未然に防止するために普段からどんなことを
すればよいか解説してくれている良書でした。

先頭へ
38.早わかり新建築基準法 ★★  芦田敬里・春原匡利・鈴木菜緒美著
彰国社  2001年1月10日発行  大阪府立中之島図書館

[目次] 序 新建築基準法のポイント どこがどう変わったか /第一章 建築をめ
ぐる制度の見直しと創設(平成十一年五月一日施行) /第二章 性能規定化の
導入(平成十二年六月一日施行) 1.性能規定化をどう読むか 2.防火・避難に関
する基準 3.構造に関する基準 4.一般構造、建築設備に関する基準 /資料編
新建築基準法と新建築基準法施行令。

「はじめに」のところに、新建築基準法のポイントを分かりやすく紹介してくれていま
すので、引用させていただきました。
「1950年に建築基準法が制定されて以来最大規模といわれる、改正建築基準法
がいよいよスタートしました。今回、改正建築基準法の施行は二年間にまたがり、
一年目に建築確認などの手続きの合理化をはかる建築確認・検査の民間開放関
係の改正などが行われ、二年目に建築規制内容の合理化をはかる性能規定化を
軸とする基準体系の大幅な見直しが行われました。大改正の背景としては1997年
の答申、『二十一世紀を展望し、経済社会の変化に対応した新たな建築行政の在
り方に関する答申』にさかのぼりますが、建築物の最低基準を定めた同法が、二十
一世紀に向けて、法規制の実効性を確保するための体制としくみを整えたという意
味で、『新法』と呼べるほどの変わり方をしたといっても言い過ぎではないでしょう。

本書は、新たな制度の導入にとどまらず、中間検査や在来木造の仕様の明確化な
どに見られるように、『規制と緩和と強化』が複雑に混じった改正建築基準法の全
貌を、『早わかり』できるようにまとめたものです。本書が、みなさまにとって少々手
強い『新建築基準法』理解の手助けになれば幸いです。」

「新法の背景」では、改正の経緯とそのねらいを簡潔にまとめ、「新法の内容」では
改正の内容を具体的にまとめてくれています。更に資料編では、最新の「新建築基
準法と新建築基準法施行令」を収録してくれていたので、非常に有り難かったので
した。また、今回の大改正の要点を次のようにまとめてくれています。
<法改正の要点>
○建築確認等手続きの合理化
1.建築確認・検査の民間開放
○建築規制内容の合理化
2.建築基準の性能規定化等基準体系の見直し
3.土地の有効利用に資する建築規制手法の導入(連担建築設計制度)
○建築規制の実効性の確保
4.中間検査の導入
5.確認検査等に関する図書の閲覧

旧法第三十八条の規定により認定されていた防火戸は、平成14年5月31日まで、
それぞれ新法に規定する不燃材料等、耐火構造および防火設備として扱われるこ
とになるそうで、甲種防火戸・乙種防火戸の区別がなくなるようなのですね。
とても難しい本なので、ちっとも前に進まないのですが、せっかくの機会なので、も
う少し頑張ってみようと思わせてくれた本でした。

先頭へ
39.マンション−安全と保全のために− ★★ 小林一輔・藤木良明共著
岩波新書  2000年2月18日発行  大阪府立中之島図書館

[目次] 1.いま、マンションで /2.欠陥問題と対策 /3.マンションの法律 /
4.管理組合の役割 /5.大規模修繕工事の進め方 /6.さまざまな保全工事
/7.マンション再生をめぐって。

カバーに、「国内で400万戸に達しようとしているマンション。その増加にあわせてト
ラブルの数もうなぎ上りだ。基礎の劣化、水漏れ、騒音、ペット、修繕積立金不足・
・・・。さらに大規模修繕や防災対策、建替えの効果的な実施は。これらの問題をど
う解決・予防していくのか、居住者個人と管理組合の役割に分けて、なすべきこと
を的確にしめす。」と書かれておりました。

この本では、個々のマンション居住者の立場から、快適なマンション生活を送るた
めに必要な具体策を、そして、大規模修繕をどのように進めたらいいのかについて
も、数多くの図表・写真を使いながら、懇切丁寧に解説してくれています。

建築・マンション関係の専門書への入門書として執筆されただけのことはある良書
ですし、建築・建築設備に関しても専門的な事柄にも触れてくれていますし、至れり
尽せりの本だと感じました。マンションに住んでおられる方は必見ではないでしょう
か!?

先頭へ
40.地震とマンション ★★  西澤英和・円満寺洋介共著  ちくま新書
2000年12月20日発行  大阪府立中之島図書館

[目次] 第一部 阪神・淡路大地震はどんな教訓を残したのか /第二部 イラスト
で見る、復旧工事と耐震補強の実際 /第三部 震災復旧の歴史が教えるもの/
マンションの耐震改修のすすめ。

カバーに、「1995年の阪神・淡路大地震は、設計基準の想定を大きく上回る地震で
った。そんななかで、実際には、どんな建物がどう壊れたのか。そして、同じ規模の
地震でも大きな被害を受けないようにするには、どこをどう補強すればいいのか。ピ
ロティ補強から地盤改良まで、実際に被災マンションの復旧・耐震補強に力を尽く
した著者たちが、その具体的なやり方をイラスト入りで解説する。」と書かれており
ました。

この本は、「震災復旧の現場経験にもとづいて、今後建設される建物や、今すでに
建っているマンションをはじめとする多くの鉄筋コンクリート造あるいは鉄骨鉄筋コン
クリート造の建物が、次の地震で被害をうけることを少しでも減らし、あるいは多少
壊れてもすぐ復旧できるようにするための、基本的な考え方やノウハウについて、
わかりやすく書いたものである。」と書かれている通り、災害時の建築学者の社会
的使命の重大さを痛感した著者さんたちが、全力を上げて執筆してくれています。

とくに興味深かったのは、「壊れなかった戦前のRC造建築」のお話でした。60年以
上前に造られたこれらの建物は、「設計用床荷重が大きかったこと、許容応力度を
小さく設定していたこと」に重点を置いた戦前の建築基準である「改正市街地建築
物法」に従って設計されていたから、びくともしなかったのですね。戦後、「壁付ラー
メン構造」から「純ラーメン構造」へと変化して、主に柱と梁だけで造られた、壁が少
なく、窓の面積が多い建物が中心になってしまった理由が、経済的要因だったのが
、とても哀しかったのでした。

「『激震』は防げなくても、『震災』は防ぐことができる。今後も起こるであろう直下型
地震でRC造建築が大きな被害を出さないようにするには、戦前と同じように広島や
長崎級の『原子爆弾』に耐えられるように構築、あるいは構造補強しておけばよい
のである。今こそ私達は強い決意をもって、戦後建築を始めとする既存建物の耐震
性の改善に取組みつつ、次の危機に立ち向かっていかなければならない。あの惨
状を二度と繰り返さないために....。」と主張する著者さんたちに、エールを送り
たくなった良書でした。

先頭へ

■建築・建築設備1のページに行く

上に戻るへリンク